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犬は本当は判っている。

2026年05月25日 | 真面目な話

犬は飼い主さんのことをどれくらい判っていると思いますか?

何の話かといいますと、犬の嗅覚の話。

以前から私は、飼い主さんとのお話の中で何度も口にしていますが、犬の嗅覚の凄さ。

例えば一時、ニュースにもなりました。

癌細胞の特定については、Medical Detection Dogsというイギリスの団体が中心的に研究していて、前立腺癌、乳癌、大腸癌などの検知で高い精度が出ているそうです。

汗やホルモンの変化を犬が検知する研究として、ストレスホルモン(コルチゾール)の変化を犬が嗅ぎ分けられるという研究がイギリスのクイーンズ大学ベルファストから2022年に発表されています。

人間が精神的ストレスを受けた時の汗と通常の汗を高精度で区別できたという結果です。

血糖値の変化を検知する研究も進んでいて、糖尿病患者の低血糖発作を事前に察知できる犬の訓練は実用化されています。

これも体から発する化学物質の変化を嗅ぎ取っています。

調べるとこんなお話も出てきますが、以前から噂程度にいわれていたこと。

・ビビったら犬にも伝わる。平常心大事。

・犬が好きな人のことは犬もわかる。

などなど。

10年犬を触り続けて感じているのは、こちらの感情はほぼ伝わっていると感じていること。

時に声色や身振り。

しかし、行動の変化がなくとも目を合わせただけでも伝わった手ごたえってあるんです。

総合すると、こちらの心境の変化は犬に筒抜けではないか?

と感じていたところ上記の研究結果が示された。

がん細胞や血糖値を臭いで判別できるということは、犬は人の健康状態や心理状態も把握していると考えてもおかしなことではない。

犬の嗅覚は人間の一億倍ともいわれる。

これは臭いを細分化して認知する能力、虫眼鏡か顕微鏡かの違いくらい違うわけです。

人の体臭を人間が嗅いで判ることなんてほんの少ししかないのだろうけども、犬が嗅いだ場合には心理面から健康面まで全部ばれてしまうわけだ(笑)

上記の条件のもと、よく吠える子達の話を飼い主さんに聞く。

散歩で吠えて仕方がない。

理由は様々、色々な事が考えられる。

自分だったらどうだろうか・・・と想像すると、犬が吠える瞬間・もっと言えば犬を見つけた時。

自分の犬が吠える前提だとしたら、一瞬緊張してないか?手に汗握るというがそのタイミングは存在しないか?

恐らく自然と身構えていて、緊張しているのだと思う。

一瞬のことながら犬はきっとそれを感じているし、毎日の散歩で学習しているのではないか?

犬にとっては、犬を見かけると飼い主が緊張する。これはネガティブな要素。

犬が吠えるから、緊張する。緊張するから犬が吠える。犬が吠えるから道を変える。態度を変える。

犬にはネガティブな要素を排除することで成功体験として蓄積される。

吠えた結果、飼い主の緊張が解かれた。緊張の元から離れることができた。

吠えることでネガティブな環境が無くなった。

一方飼い主さんは、吠えるから緊張するし、他人への迷惑を気にして足早に立ち去る。

そのネガティブな心情は犬にも伝わる。

この連鎖を止めるにはどうしたらいいのか。

私なりの解釈では、飼い主さんがまず気持ちに余裕をもって『吠えてすいません』とニコニコすること。

犬が吠えることで飼い主さんが頑なになればなるほど、犬はその背中を押すことでしょう。

飼い主さんが率先して、楽しいを表現する。

言葉では伝わらないし、作った笑顔は犬には見透かされる。だって臭ってますから(笑)

ここからは私の完全な偏見ですけど、腕のあるトレーナーがオヤツやコマンドを使わなくても犬に指示が出せるのってこの原理なんじゃないかと思う。

スピ系ではないけど、気とかオーラとか覇気とか言う人もいるけど、総じて自らの心情を操作して、ホルモンの分泌を促しているのでは?

犬にとって最大の器官 嗅覚。

ここに直接訴えかける術としては、理にかなっている。

飼い犬が外で吠えているとき、飼い主さんの心情はどうなっていますか?

最大の分岐点はここにあるとおもっています。

だから、飼い主さんが無意識に苦手意識を持てば、犬も必然的に苦手になるでしょうし、飼い主さんが好意的であれば犬はそれを好意的に受け止めます。

これだけですべてが解決するわけではないのですが、最初の一歩として私はこの問題を提唱したい。

飼い主さんの心の在り様が、犬の行動を左右する。

実際に試してみてください。

私はこれをいつも心に留めています。

参考

1. Wilson et al. (2022) PLOS ONE クイーンズ大学ベルファストの研究で、犬がストレス状態と通常状態の人間の汗と呼気を区別できることを証明。二重盲検法で実施された厳密な研究です。DOI: 10.1371/journal.pone.0274143

2. Parr-Cortes et al. (2024) Scientific Reports ブリストル大学の研究で、ストレス状態の人間の匂いが犬の認知と行動に影響を与えることを証明。Nature系の雑誌に掲載されています。

3. 精度について 犬はストレス状態と通常状態のサンプルを90%以上の精度で区別できたという結果が出ています。

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